あとがき
1993年6月に来日して、東京と北海道の各地で講義をしてくださったアラン・クライダーさんの講義をまとめたものです。その折、講義に参加できなくて残念に思っていました。あとでテープを聞き、初代教会の生き生きしたようすがよく伝わってきて、これは貴重なものと思い、テープを起こしました。初代教会の歴史の本というと神学論争のことはわりあい詳しく書いてあるのですが、具体的なクリスチャンの生活のことはあまり出てきません。この講義ではその点が詳しく分かって、今のわたしたちにとっても、大切なことを教えられる思いがしました。広尾の佐藤哲雄さんのお世話により、「いずみ」誌がこれを取り上げてくださることを、うれしく思います。
内容はメノナイトの信徒を対象とした講義と東京ミッション研究所の講義の両者から編集しました。通訳された講義のテープ起こしというよりは、できるだけ講義そのものから訳すようにしました。それにクライダーさんの著書Worship and Evangelism in Christendomその他を参考にして補いました。それで編訳としたわけです。
クライダーさんについては紹介の必要はないかもしれませんが、奥さんのエノリアさんとご一緒に、ロンドンのメノナイト・センターの中心的なメンバーとして教会形成に当たり、また英国内のアナバプテスト研究のネットワークを指導していらっしゃいます。現在はオックスフォードのRegent's Park Collegeで教会史を研究しておられます。近いうちに再来日したい希望を持っていらっしゃることも聞いて、これもうれしいことです。
札幌友愛教会の村野實さんは、クライダーさんから直接入手したスライドを、使いやすいように写真に焼いて東京まで送ってくださいました。感謝します。ミッション研究所の金本悟さんの通訳も参考にさせていただいたこと、感謝します。棚瀬さんは全体的に加筆訂正して読みやすくしてくださいました。ありがとうございます。方南町教会がこのプロジェクトのために支援してくださることも感謝です。
講義を聞いてわたしが味わったのと同じ喜びを、皆さまが感じてくだされば幸いです。
1997年12月
大野 和子